家畜の病気について

家畜は生き物ですので、注意していても具合が悪くなったり、病気になることがあります。そのような時は、冷静に観察して、なるべく早く、獣医師に相談しましょう。

 

1 家畜が病気になったら・・・

2 動物用医薬品について

3 ワクチンについて

4 病気についての情報

 

1 家畜が病気になったら・・・

(1)観察しましょう!

毎日接している飼養者の観察が最も大切です。

・元気、食欲、飲水、発熱

・動作がぎこちない、挙動がおかしい、睡眠、腹痛、関節痛

・よだれ、反芻、嘔吐、下痢、

・目やに、眼瞼の腫れ、眼瞼の落ち窪み

・咳、呼吸が早い、呼吸が遅い、努力して呼吸している

・排尿困難、血尿、尿の色がおかしい

・体表や粘膜の色、汚れ、腫れ、水疱、ただれ、出血

・陰部からの出血、悪露

・鳴き声、・・・等。

日頃の観察が早期発見につながり、診断や治療の手がかりになります。


(2)診察

産業動物(家畜)を診療する開業獣医師、共済診療センター、酪農協などに診察を依頼します。

家畜のホームアニマルドクターを決め、日頃から衛生管理やワクチネーションの相談をしていると、いざという時も状況がわかりやすくスムーズでしょう。

家畜保健衛生所の獣医師は診療しませんが、伝染病などの検査・診断を実施し、診療獣医師と協力して的確な対処を指導します。

伝染病の防疫が重要です。早期連絡、早期診断、早期治療が最も大事です。

2 動物用医薬品について

安全・安心な畜産物生産のために、動物用医薬品を適切に使用しましょう。

 

動物用医薬品には、使える動物種、年齢、使用量、使用回数などが決まっており、1度使用したら決まった期間は出荷できない薬も多くあります。

それぞれの動物用医薬品の使用上の注意を守り、獣医師の指示に従って使用することが飼養者の責務です。

また、保管については、使用上の注意どおり(冷暗所等)に保管すること、家畜や生産物保管場所(生乳処理室等)での保管は避けて別な場所に保管し、さらに、動物用医薬品以外の物とは区別して保管すること等の決まりを守り、薬の劣化、誤使用等による事故、紛失が起きないように、注意して保管しましょう。

 

<リンク>

動物医薬品検査所(農林水産省)

3 ワクチンについて

伝染病や、生産性にかかわる多くの病気についてワクチンが開発されています。

適切なワクチネーションをすることが、病気を防ぎ、生産性を向上させることになりますので、是非、獣医師に相談してください。

・牛:アカバネ病ワクチン、下痢の混合ワクチン、呼吸器病の混合ワクチン など

・豚:PRRSワクチン、サーコワクチン 豚丹毒ワクチン など

・鶏:ニューカッスル病ワクチン、鶏伝染性気管支炎ワクチン、IBDワクチン など

 

また、各地方の衛生推進協議会などでは、牛や豚、鶏などのワクチンの事業を行っています。各衛生推進協議会また各家畜保健衛生所にお問い合わせください。

4 病気についての情報

(1)発生の情報

世界的な物流と、人や野生動物の往来で、産業動物の病気も地域や国内のみならず、世界的な情報収集することが当たり前となっていきました。牛では口蹄疫、豚では豚コレラ、アフリカ豚コレラ、鶏では高病原性鳥インフルエンザなどが、常に注意喚起されています。

畜産業を営む皆さんは、病気の情報収集も、一つの責務となっています。

 

<リンク>

農林水産省(家畜の病気を防ぐためにのページ)

 

(2)病気の種類

国内外で発生している病気をみても、長年発生がなかった病気が出てきた、新しい病気が出てきた等、様々です。

また、農場に常在している病気、複数の原因が重なっていたり、ストレスが増強させていたり、気候が影響していたり・・・

日頃より、衛生的に飼養し、家畜の様子を観察し、獣医師に診療を受けましょう。

 

<リンク>

動物衛生研究所

家畜疾病総合情報システム(監視伝染病診断指針)